Valle d'Aosta
Les Petits Riens
レ・プティ・リヤン
妻のステファニアはミラノ出身。ブドウ栽培、ワイン醸造を専攻した後、山をこよなく愛するあまりヴァッレ・ダオスタへ移住しワイン造りの仕事を開始した。夫のファビアンはフランス人でブルゴーニュのボーヌでブドウ栽培とワイン醸造学を学んだ。フランスで数軒のナチュラルな造りのワイナリーで数年間従事、その後スイスに移りさらに経験を積んだ。
彼らはスイスで出会い、そこで共に働き、時間をかけヴァッレ・ダオスタの地に「レ・プティ・リアン」となる小さな楽園を見つけたのである。
レ・プティ・リアンは、海抜600~800mのアオスタのパノラマ丘陵地帯の小さな一角を占めている。 ここには生物多様性の高い土壌があり、一度も除草されたことがない。土壌は不均質な構造を持ち、砂質成分が優勢。全て南向きで渓谷の左斜面に面しているため、一日の大半は日照に恵まれている。終日風通しもよく、降水量は年間500㎜程度。ブドウ畑にとってこのような恵まれた微気候は、自然な作業のみを可能にする。
彼らは自然を最大限に尊重し、自然とのコラボレーションによる職人的で芸術的な仕事を行う。
曰く「ブドウからワインへの変換は驚異的な自然のプロセスですが、それは人間の巧みな指導の下でのみ可能です。正しい時期と方法を指示するのは人間であり、ワインに個性を吹き込むのも人間です。私たちはブドウの樹を娘のように育て、世話をする。ブドウの樹は私たちに高品質の果実を与えてくれる。私たちはブドウの誕生からワインという形に”生まれ変わる”まで寄り添い、土着酵母に仕事をさせ、最小限の二酸化硫黄で瓶詰めを手伝う。すべての工程がうまくいくよう辛抱強く見守ります。私たちは、私たちの愛、私たちの魂の伝達であるワインを造る。このワインは、"ささやかなもの"、小さなアーティストのジェスチャーで作られた製品であり、その小さなジェスチャーは、利用可能なブドウ品種の幅広く独創的なシンフォニーを通して、紛れもない味と香りを爆発させ、放出する。」、「私たちは、五感に注意を払い、心を開いて自分自身の幸福と健康に気を配ることを望む人々に、特に感覚と感動を与える製品を作りたいと考えています。」
彼らが造るのは「大地、植物、空、そして人間の営みを伝えるワイン」。ワインの名前やエチケットのデザインは初めて出来上がった年に、二人がそれぞれ試飲した時のイメージから創り出す。
-- ステファニアとファビアンの哲学 --
私たちの願いは、自然の力を借りて、心と魂のためのメッセージ、和やかさと気づきを伝えることです。そのため、私たちはワインを限られた量しか生産せず、私たち自身がすべての段階をフォローし、すべてのケアと愛情を注ぐことができるようにしています。私たちは、自然が定めた時間と方法に従って作業し、骨格があり洗練された味わいの100%ナチュラルなワインを造っています。
この世界はどんどん速くなり、あらゆるものが手に入りやすくなり、消費しやすくなり、私たちは必死に時間との戦いに身を投じている。この世界では、私たちの心は、より多くのものを手に入れようとし、今この瞬間を生きる代わりに未来への期待を抱かせる。私たちが提案するのは、今ここにいること、リラックスすること、そして私たちを取り囲むすべての小さなもの、小さな声、何でもないこと、私たちが想像する以上に多くのことを教えてくれる小さなものに耳を傾けることへの回帰である。
私たちが想像する以上に、ワインは私たちに多くのことを教えてくれる。だからこそ私たちは、いつもとは違う方法で私たちのワインを発見し、ちょっと立ち止まって、新しい経験との出会いの瞬間を十分に楽しんでいただきたいと思うのだ。グラスを手に取り、目を閉じて、まず鼻に近づけ、アロマに包まれるようにし、次に口に運び、小さな口をつける。自分自身を解放し、深呼吸をして、私たちの世界へ...。
Wines

Petit bout de lune 2020
プティ・ブー・ド・リュンヌ
タイプ :
ブドウ品種:
土 壌 :
白
シャルドネ70%、エルバルーチェ30%
水はけの良い砂質
平均樹齢33年。9月初旬に手摘み収穫後、除梗せずプレス。果汁を一晩デキャンタージュして荒い澱を取り除く。
数日前に自家ブドウから調製したピエドキューヴ(自然酵母)でステンレス発酵。自然発生のマロラクティック発酵。
トノー大樽60%、グレ(FabioGea製陶器)40%で24ヵ月熟成。
ノンフィルター、無清澄。Alc.12%。
生産本数約1000本。
美しい黄金色。グラスに注ぐと立ち込める完熟系の香り。果実そのものよりもより濃密な蜜感と骨格。バターの風味にフレッシュさが融合した独創的な組み合わせ。白コショウなどのスパイス感も。非常に長い余韻。大きめのグラスで。
マスのカルパッチョと野の花、牛肉のグーラッシュ、ポレンタ添え、ハチミツとバニラを塗った子豚の腹肉などに。
提供温度:10-14℃。
ワイン名は、「小さな月」- 星空の下で楽しむ体験 - ”ちょっと立ち止まって、新しい経験との出会いの瞬間を存分に楽しんでください。自分を解き放ち、深呼吸をして、私たちの世界へ...。”

L'air des cimes
レール・デ・シーム
タイプ :
ブドウ品種:
土 壌 :
白(ブランドノワール)
プティ・ルージュ70%、ガメイ30%(2016-2018-2020年のブドウ)
水はけの良い砂質
樹齢28年と46年。9月中旬に手摘み収穫後、除梗せずプレス。果汁を一晩デキャンタージュして荒い澱を取り除く。
数日前に自家ブドウから調製したピエドキューヴ(自然酵母)でステンレス発酵。自然発生のマロラクティック発酵。
2016年のブドウはバリック樽で6年、2018年のブドウはグレ(FabioGea製陶器)で4年、2020年のブドウはグレ(FabioGea製陶器)で2年熟成。
ノンフィルター、無清澄。Alc.12%。
生産本数約400本。
少しピンクがかった色合い。まだ香ばしい還元があるが、旨味の強いアタック。とても複雑なフローラルから、赤く甘酸っぱいベリー系の果実感。黒ブドウ由来のタンニンと酸、果実味のバランスが素晴らしい。非常に長い余韻。
フレッシュなアーティチョークのサラダ、羊の炭火焼き、鱒の燻製など。
提供温度:10-15℃。
ワイン名は、「頂上の空気」- ”アルプスの山々のようにまっすぐなワイン - 目を閉じて、夜明けを想像してください。私たちの地球が毎朝見せてくれる光や色を鑑賞する。そよ風が悠久の雪の香りであなたを撫でる。小道を進み、小さな小川を辿り、石と踊るその調和のとれた歌声に気づくでしょう。”

L'esprit pourpre 2017
レスプリ・ピュルピュル
タイプ :
ブドウ品種:
土 壌 :
赤
ガメイ
水はけの良い砂質
樹齢19年/27年/45年の各区画。9月初旬に手摘み収穫後、70%のみ除梗、6-8時間かけてプレス。
自然酵母によりステンレス発酵。自然発生のマロラクティック発酵。グレ(FabioGea製陶器)で24か月熟成。
ノンフィルター、無清澄。Alc.13.5%。
生産本数約400本。
ガーネット色の液体。スモーキーで重厚感のあるむんと立ち上る香り。口に含むととてもピュアでストレートな味わい。しなやかながら濃密で甘やか。苦みを含む旨味の余韻。未だ抜栓すぐは僅かに発泡感がある。
全粒粉のニョッキ、鹿肉のラグー添え、仔牛の煮込みビネガー風味、クリームポテト添え、鴨の胸肉などに。
提供温度:15-18℃。
ワイン名は、「紫色のエスプリ」- ”紫のスピリットに包まれよう- 目を閉じて想像してみてください。朝日が高い木の葉の間を通り抜けオークの木への道を照らします。そこから発する叡智を感じてください。それはあなた自身をしっかり着地させ、あなたの本質を完全に統合する手助けをしてくれるでしょう。これからはあなたのスピリットだけが正しい方向を指し示してくれるでしょう。”

Bal d’equinoxe 2018 *375ml
バル・デキノクス
タイプ :
ブドウ品種:
土 壌 :
赤甘口(パッシート)
ガメイ
水はけの良い砂質
樹齢20年/28年/46年の各区画。
自然酵母によりステンレス発酵。自然発生のマロラクティック発酵。30か月熟成。
ノンフィルター、無清澄。Alc.13.5%。
生産本数約823本。
ガーネット色の液体。スモーキーで重厚感のあるむんと立ち上る香り。口に含むととてもピュアでストレートな味わい。し濃厚なガーネット色。醤油のような香ばしい香り。塩味にしっかりした酸が乗り、いつまでも飲みたくなるパッシート。
濃厚な干しブドウ感にシナモン、ヴェルモットなどの爽やかなニュアンスが非常に美しい。
レバーやフォワグラなどの内臓系料理、肉料理各種、冷やしてチーズやジェラートなど、非常に幅広く。
提供温度:12-18℃。
ワイン名は、「春分の日」。